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大学への生物

大学入試に向けた高校生物の解説をしています.徐々にコンテンツを増やしていきます.現在は2017年度大阪大学の解説を作成中.解説してほしい問題などのリクエストがありましたらコメント欄まで.

2017年度 センター生物 (本試) 大問 4A 【解説】

センター生物 (2017-本試) 解説

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【解説】難易度:★☆☆☆☆

ハリガネムシと言われると小学校の時にムシ遊びしていたころを思い出します.

虫好きだった人ならカマキリを水につけたらハリガネムシが出てくることを

知っていた人もいたのではないでしょうか。

問題自体は標準的な実験考察問題です.

 

(1)

では実験を整理していきましょう.

 

・通路1・2の分岐点からは水の有無は確認できない.

ハリガネムシが寄生したバッタ→通路1(水なし)へ21匹・通路2(水あり)へ21匹.

ハリガネムシが寄生していないバッタ→通路1(水なし)へ19匹・通路2(水あり)へ19匹

 

このことからわかることは、

「寄生しているかどうかは道の選択(水に近づくor水から離れる)には関係しない」

ということです.

 

続いて,通路2(水あり)へ進んだ個体について

ハリガネムシが寄生したバッタ→水へ飛び込む

ハリガネムシが寄生していないバッタ→水へ飛び込まない

 

以上のことを踏まえて正解は③です.

 

(2)

図3のグラフについて整理していきましょう。

注目すべきは2点です.

 

①淡水魚Aが得た食物のうち,バッタが占める割合

ハリガネムシに寄生されているバッタの割合

 

この2つにどんな相関があるのかを見ていきます.

すると,

「寄生されているバッタの割合が多い川ほど,淡水魚Aはバッタを食べる」

ことがわかります.

 

ここで実験1を思い出してください.

ハリガネムシに寄生されているバッタは,水に近づくと飛び込む」

という結果が得られたと思います.

 

これと合わせると,

ハリガネムシに寄生されているバッタが川に近づく」

          ↓

「バッタは川に飛び込む」

          ↓

「淡水魚Aに食べられる」

ということが起こっていると考えられます.

 

なので、寄生されているバッタの割合が多い川ほど,

淡水魚Aが得た食物に対するバッタの割合が高いという事実に

納得がいきます.

 

選択肢の①~④を見ていきます.

グラフを単純に読み取るだけなのでこっちは正解しやすいかと思います.

一つ目の正解は④です.

どの川においても割合は

「バッタ+バッタ以外の陸生無脊椎動物」>「水生無脊椎動物

なので④の選択肢に合致すると思います.

 

⑤~⑧を順番に見ていきます.

⑤:問題文に,

  「バッタなどの宿主が水中に落下した後すぐに宿主から出て,水中で繁殖を行う」

  と書いてあったので,「川に寄生者がいないため」のところに合わず×

⑥:陸にいたバッタが川に落ちて淡水魚がバッタを食べていることからわかるように,

  陸と川の生態系は独立していないので×

⑧:「寄生者によって行動が変化した宿主」=バッタのことですよね.

  生産者は無機物から有機物を作ることができる生物のことです.

  バッタは陸でも水中でも有機物を食べなければ生きていけないので消費者です.

  生物の言葉でいうなら「従属栄養生物」といいます.

  よって×です.

⑦:「寄生者による宿主の行動の変化」は,この実験でいうところの

  「ハリガネムシが寄生したバッタは水中に飛び込むようになる」にあたります.

  実際それによって淡水魚Aの得る食物の割合が変わったので正しいといえます.

 

正解は④と⑦です.