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大学への生物

大学入試に向けた高校生物の解説をしています.徐々にコンテンツを増やしていきます.現在は2017年度大阪大学の解説を作成中.解説してほしい問題などのリクエストがありましたらコメント欄まで.

2017年度 センター生物 (本試) 大問 6 【解説】

センター生物 (2017-本試) 解説

 

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【解説】難易度:★☆☆☆☆

テーマは「遠心分離」のようです.

知識問題ばかりなので難しくありません.

 

(1)

メセルソンとスタールの有名な実験ですね.

この実験によって複製様式が半保存的複製であることが証明されました.

 

はじめは【15N】を含む培地で培養しているので,大腸菌がもつDNAは【15N-15N】です.

ここから,【14N】の培地に移して,培養しているので,

1回分裂が起きれば,半保存的複製により,【14N-15N】の2本鎖DNAが2本できます.

さらにもう1回分裂を起こせば,大腸菌のDNAはそれぞれ

【14N-14N】【14N-14N】【15N-14N】【15N-14N】

となります.

これを密度勾配遠心法によって分離すると,重いDNAが下に,軽いDNAが上にバンドを形成するので,

上から「【14N-14N】のバンド」「【15N-14N】のバンド」が生じます.

よって答えは⑤です.

 

2次レベルでは,「保存的複製」「分散的複製」が仮に正しかった場合の

実験結果も理解しておく必要があります.

 

(2)

まず細胞小器官A~Dを同定していきましょう.

A:「ほとんどすべての遺伝情報を含む」→核

B:「タンパク質を分解する酵素が多く含まれる」→リソソーム

C:「ATPを合成する酵素が多く含まれる」→ミトコンドリア

D:「カタラーゼが多く含まれる」→ペルオキシソーム

です.

 

では選択肢を見ていきます.まず①~④です.

①:核ではDNAが転写されてmRNA前駆体を作り,

  スプライシングによって成熟mRNAとなるので○

②:酸化的リン酸化はミトコンドリアで起こるので×

③:アルコール発酵は細胞質基質で起こるので×

④:光エネルギーを利用したATPの合成は葉緑体で起こるので×

 

続いて⑤~⑧なんですが,遠心分離したときに,

「密度が高い細胞小器官は沈みやすく,密度が低い細胞小器官は沈みにくい」です.

密度を見てみると,

B(リソソーム):1.12 g/cm³

C(ミトコンドリア):1.18 g/cm³

D(ペルオキシソーム):1.23 g/cm³

なので遠心管の底から,「ペルオキシソーム→ミトコンドリア→リソソーム」

の順番で分離されます.

 

⑤⑥:「遠心管から一番遠くに分離される」=リソソームですが,

   クエン酸回路はミトコンドリア,カルビン・ベンソンカイロは葉緑体

   起こるので×

⑦⑧:「遠心管の底から一番近くに分離される」=ペルオキシソームです.

   カタラーゼは過酸化水素を酸素と水に分解する反応の触媒.

よって①⑦が正解です.