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大学への生物

大学入試に向けた高校生物の解説をしています.徐々にコンテンツを増やしていきます.現在は2017年度大阪大学の解説を作成中.解説してほしい問題などのリクエストがありましたらコメント欄まで.

2015年度 大阪大学 前期 生物 1A 【解説】

大阪大学(2015-前期) 解説

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【解説】難易度:★★☆☆☆

(1)は教科書レベルの用語穴埋め,(2)は定番記述です.

(3)は知らない知識かもしれませんが,リード文に丁寧な説明があるので,

論理をつなげることができればちゃんと解答することができるはずです.

阪大生物は難しめの考察問題が多く(2015は簡単でしたが),

記述量が多いため,この辺の問題に時間をかけたくありません.

手早く全問正解を目指しましょう.

 

(1)

穴埋めです.教科書レベルなのでしっかりとりましょう.

(ア)錐体細胞 (イ)かん体細胞 (ウ)盲斑 (エ)視神経

 

(2)

定番の記述問題ですね.確実に書いておきたいことは,

・盲斑は神経節細胞の軸索が眼球外へ貫いている場所

・視細胞が存在しない

の2点です.

 

【解答例】

盲斑は神経節細胞の軸索の束が眼球外へ貫いている部分で,視細胞が存在していないから.(42字)

 

(3)

下線部の直前に「したがって」とあるので,

その前の文を読む必要がありそうです.

 

まとめると,

・視細胞の数は神経節細胞の数より100倍ほど多い

 ⇒ひとつの神経節細胞に多くの視細胞からの情報が伝達される.

・ひとつの神経節細胞が何個の視細胞から情報を受け取るかは網膜の場所による.

・網膜の中心部の神経節細胞は少ない視細胞から情報を受け取る.

 ⇒中心部の神経節細胞は網膜上のより狭い領域の光情報を脳に送る.

 

分かりやすく言えば,極端ですが,

中心部=神経節細胞1:1視細胞⇒神経節細胞1個あたりの光受容領域は狭い

中心部以外=神経節細胞1:100視細胞⇒神経節細胞1個あたりの光受容領域は広い

ということです.

問題はこの特性によって物の見え方がどう変わるかです.

 

カメラの画素数をイメージしてみてください.

「画素数が多い」=「1画素数あたりの面積は小さい」ので,

網膜の中心部と同じです.

素数が多いほど,きれいな画像が見れますよね?

これと同じ原理が眼にもあるということです.

つまり,網膜の中心部で見た方が解像度が高いということです.

 

【解答例】

網膜の中心部で物を見た場合,狭い領域の視細胞からの情報が1つの神経節細胞へ集まるため解像度が高く,中心部以外でものを見た場合,広い領域の視細胞からの情報が1つの神経節細胞に集まるため解像度が低い.(98字)

 

知っていても知らなくてもいい話ですが・・・

この問題の「網膜の中心部」は黄斑のことを指しています.

黄斑には錐体細胞が多く,かん体細胞が少ないことは習っていると思います.

実は,1つの神経節細胞に対して多数の視細胞がシナプスを作るのがかん体細胞,

一つの神経節細胞に対して少数の視細胞がシナプスをつくるのが錐体細胞です.

そのため,錐体細胞が多い黄斑では解像度が高く,

かん体細胞が多い黄斑以外の部分では解像度が低くなるのです.

「解像度の違いは網膜の場所の違いによる」というのがこの問題のテーマでしたが,

その違いを生み出しているのは,

錐体細胞とかん体細胞の分布の違いによるということでした.