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大学への生物

大学入試に向けた高校生物の解説をしています.徐々にコンテンツを増やしていきます.現在は2017年度大阪大学の解説を作成中.解説してほしい問題などのリクエストがありましたらコメント欄まで.

2015年度 大阪大学 前期 生物 4B 【解説】

大阪大学(2015-前期) 解説

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【解説】難易度:★★★☆☆

実験考察問題ですが,内容自体は難しくなく,理解はできますが,

結果をどう見るかが難しいです.

 

(7)

問題文を整理します.

・「食塩感受性ネズミ」⇒食塩を与えると高血圧

・「食塩抵抗性ネズミ」⇒食塩を与えても高血圧にはならず

この2匹のネズミについて,

「食塩抵抗性ネズミ(腎臓:感受性)」「食塩抵抗性ネズミ(腎臓:抵抗性)」

の2匹に食塩を与えたところ,

・「食塩抵抗性ネズミ(腎臓:感受性)」⇒血圧上昇

・「食塩抵抗性ネズミ(腎臓:抵抗性)」⇒血圧変化なし

 

「食塩感受性ネズミ(腎臓:感受性)」⇒血圧変化なし

「食塩感受性ネズミ(腎臓:抵抗性)」⇒血圧下降

 

この2つからわかることを推察していきます.

まず,同じネズミに対して,腎臓が「感受性」か「非感受性」かで,

血圧の変化が変わっているので,腎臓が血圧調節に働くと考えられます.

血圧調節は腎臓だけでなく,全身性に調節されるものです.

なので腎臓からは血圧調節のトリガーとなるような物質が分泌されていると

言ってもいいでしょう.

 

続いて,同じ感受性の腎臓を持つマウスを比較する.

・「食塩抵抗性ネズミ(腎臓:感受性)」⇒血圧上昇

 「食塩感受性ネズミ(腎臓:感受性)」⇒変化なし

・「食塩抵抗性ネズミ(腎臓:抵抗性)」⇒変化なし

 「食塩抵抗性ネズミ(腎臓:抵抗性)」⇒血圧下降

これらを比べてわかるように,同じ感受性or抵抗性の腎臓を持つマウスでも,

「食塩抵抗性ネズミ」か「食塩感受性ネズミ」かでは,血圧の変化が違うことがわかります.

 

こうなってしまうと,腎臓の役割は血圧を上げるのか下げるのか分かりません.

ここで東進さんの解答速報に載ってた解答例を見てみます.

 

【東進さん解答例】

遺伝的な食塩感受性・抵抗性ネズミの血圧調節において,腎臓が重要な役割を担っている.

 

おそらくですが,この解答では満点はもらえません.

これだけのデータを与えられておいて,「腎臓が重要な役割を果たしている」だけで終わるわけがありません.

 

ここで注目すべきが縦軸.つまり血圧です.

図3の「食塩抵抗性ネズミ(腎臓:感受性)」と

図4の「食塩感受性ネズミ(腎臓:感受性)」に注目してください.

投与後4か月での血圧はどちらも160mmHg付近で横ばいに近くなっています.

続いて,

図3の「食塩抵抗性ネズミ(腎臓:抵抗性)」と

図4の「食塩感受性ネズミ(腎臓:抵抗性)」に注目してください.

投与後4か月での血圧はどちらも120mmHg付近で横ばいになっています.

 

つまり,食塩感受性の腎臓は血圧を160mmHg付近で抑え,

食塩抵抗性の腎臓は血圧を120mmHg付近に調節する役割を持っているといえます.

なので,これらの実験から言えることは,

 

【解答例】

血圧の上昇は腎臓が感知しており,腎臓が出す何らかのシグナルによって一定値に保たれる.(42字)