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大学への生物

大学入試に向けた高校生物の解説をしています.徐々にコンテンツを増やしていきます.現在は2017年度大阪大学の解説を作成中.解説してほしい問題などのリクエストがありましたらコメント欄まで.

2015年度 立命館大学 生物 Ⅰ【解説】

立命館大学 (2015) 解説

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【解説】難易度:★★☆☆☆

(1)~(5)までは教科書レベルの基礎的な知識問題です.

ここまではしっかり取ってほしいところ.

(6)の五択で正しいものをすべて選べた人は素晴らしいと思います.

(7)の計算は定番といえば定番です.

 

(1)

基礎的な知識問題です.もちろん全問正解.

(あ)代謝(い)異化(う)同化(え)NADH(お)FADH₂(か)発酵

 

(2)

従属栄養生物:生育に必要な炭素を得るために有機化合物を利用する生物.

       動物・菌類とほとんどの細菌がこれに属する.

独立栄養生物:生育に必要な炭素を得るために無機化合物or光エネルギー源を

       利用する生物.植物・光合成生物がこれに属する.

答えはもちろん従属栄養生物です.

 

(3)

解糖系・クエン酸回路・発酵の各代謝中間物質の炭素数は覚えておくべきです.

そして炭素数の減少は二酸化炭素の放出によるものです. 

 

≪解糖系≫

グルコース(C6)⇒ピルビン酸(C3)

(1分子のグルコースから2分子のピルビン酸ができるため,

素数が減少しているわけではありません)

 

クエン酸回路≫

・ピルビン酸(C3)⇒アセチルCoA(C2)

クエン酸(C6)⇒α-ケトグルタル酸(C5)⇒コハク酸(C4)⇒フマル酸(C4)

 ⇒リンゴ酸(C4)⇒オキサロ酢酸(C4)+アセチルCoA(C2)⇒クエン酸(C6)

 

≪乳酸発酵≫

ピルビン酸(C3)⇒乳酸(C3)

 

≪アルコール発酵≫

ピルビン酸(C3)⇒エタノール(C2)

 

ということで正解は②のクエン酸回路のみです.

 

(4)

酸素が消費されるのは電子伝達系のみです.

酸素が電子伝達系で電子を受け取り,水に還元されます.

よって答えは③.

 

(5)

ATP合成酵素は,ミトコンドリア内膜に存在し,

膜間腔(ミトコンドリア内膜と外膜の間)に蓄積した水素イオンを

ミトコンドリアマトリックス内に濃度勾配に従って流し,

このときにATP合成部位でATPが合成されます.

ATP合成部位はミトコンドリアマトリックス側に向けて存在しています.

よって答えは④です.

 

(6)

酸素存在下と酸素非存在下で起こることを整理しておきましょう.

【酸素存在下】⇒電子伝達系を機能させることができる

グルコースは「解糖系」⇒「クエン酸回路」⇒「電子伝達系」という

 代謝経路により,ATPを産生する源となる.

グルコース1分子に対し,ATPは最大38分子できる.

グルコース1分子に対し,二酸化炭素は2分子放出される@クエン酸回路

【酸素非存在下】⇒電子伝達系が機能せず,クエン酸回路も停止する.

グルコースは「解糖系」⇒「発酵」という代謝経路によりATPを産生する源となる.

グルコース1分子に対し,ATPは2分子できる.

グルコース1分子に対し,二酸化炭素は2分子できる.

 (酵母菌なのでアルコール発酵)

 

順番に選択肢を見ていきます.

①同じ量のATP(エネルギー)を生み出すのに必要なグルコース量は,

 酸素非存在下の方が多いことがわかります.

 (例えば,38molのATPを作るのに,酸素存在下では1molのグルコース

 必要なのに対し,酸素非条件下では19molのグルコースが必要になる)

 よってこの選択肢は正しいです.

グルコース1分子に対する二酸化炭素産生量は酸素条件下と酸素非条件下では

 変わりませんが,①でも述べたように,グルコース消費量は酸素非条件下の方が

 多いですから,酸素非条件下の方が二酸化炭素産生量も多いはずです. 

 よって正しいです.

クエン酸回路・電子伝達系はミトコンドリアで行われるため,

 酸素条件下の方が発達すると考えられます.よって正しいです.

酵母菌はアルコール発酵を行うので,ピルビン酸からはエタノールが作られます。

 よって間違いです.

⑤上に書いたように,酸素の無い条件の方が,ATPは作られにくいです. 

 よって間違いです.

なので正解は①②③です.

 

(7)

呼吸では,酸素消費量:二酸化炭素産生量=1:1(モル比)です.

酸素を消費するのは呼吸のみなので,

酸素80mg=0.0025mol (O₂分子量=32を用いて)は呼吸ですべて使われて,

二酸化炭素0.0025mol=110mg(CO₂分子量=44を用いて)が呼吸で産生されます.

150mg-110mg=40mgがアルコール発酵によって産生された二酸化炭素量となります.