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大学への生物

大学入試に向けた高校生物の解説をしています.徐々にコンテンツを増やしていきます.現在は2017年度大阪大学の解説を作成中.解説してほしい問題などのリクエストがありましたらコメント欄まで.

2015年度 岡山大学 前期 生物 1⃣ 【解説】

岡山大学 (2015-前期) 解説

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【解説】難易度:★☆☆☆☆

基礎的な知識問題が並んでいるだけです.

もちろん満点を狙いに行きましょう.記述も難しくありません.

 

(1)

(ア)転写(イ)翻訳

 

(2)

(ウ)ペプチド(エ)アミノ(オ)カルボキシ(カ)水

 

(3)

(キ)⑧(ク)①(ケ)⑦(コ)⑩

 

(4)

順番に選択肢を見ていきます.

①タンパク質を構成するアミノ酸は20種類です.4種類は塩基の話ですよね.よって×

②1次構造:タンパク質を構成するアミノ酸の配列.よって○

③2次構造:水素結合によるαへリックス・βシート.

 3次構造:ファンデルワールス力・イオン結合・S-S結合などによる構造.よって×

④4次構造:複数の高次構造(サブユニット)が集まる.よって○

⑤例えば、「AGA」が塩基の置換によって「UGA」になれば,

 「UGA」は終始コドンなので,翻訳が終了し,本来できるタンパク質より短くなり,

 機能も変わってしまいます.これをナンセンス変異といいます.

 あるいは,「GAG(グルタミン酸)」が,塩基の置換によって「GUG(バリン)」

 になれば,タンパク質を構成するアミノ酸の配列が変わり,

 機能が変化したりします.ちなみに上の例は鎌状赤血球症に見られる突然変異で, 

 ミスセンス変異といいます.よって○

⑥例えば,「UUU(フェニルアラニン)」が塩基の置換によって

 「UUC(フェニルアラニン)」になっても,塩基レベルでは変異が起きていますが,

 同じフェニルアラニンをコードするので,アミノ酸レベルでは変化がありません.

 このような変異をサイレント変異といいます.よって○

なので正解としては①③です.

 

(5)

異化:複雑な物質を簡単な物質に分解する.このときエネルギーが産生される.

同化:単純な物質から複雑な物質を作る.このときエネルギーを消費する.

です.なので,①⑥が○で,②が×です.

 

他の選択肢もみておきます.

③従属栄養生物:生育に必要な炭素源を得るために有機化合物を利用する生物.

 ヒトをはじめとした動物は,グルコースという有機化合物を分解して

 生育に必要な炭素源を得ていますよね.これは異化反応です.よって×

④独立栄養生物:無機化合物(CO₂など)を炭素源とし,

 それをエネルギー源としている生物.植物などは,光合成によってCO₂から

 グルコースを作ってエネルギー源としています.これは同化反応です.よって×

⑤同化反応にしろ,異化反応にしろ,生体内の反応には酵素が必要です.よって×

正解は①⑥

 

(6)

順番に選択肢を見ていきます.

酵素は反応を促進しますが、自らエネルギーを発することはありません.

 酵素は反応の活性化エネルギーを下げる働きを持ちます.よって×

酵素は活性化エネルギーを下げていますが,

 エネルギーを吸収しているわけではありません.よって×

③上に書いた通り.よって○

④上に書いた通り,活性化エネルギーを下げることで反応を促進しています.よって×

正解は③

 

(7)

それぞれの酵素の働きを確認しておきましょう.

DNAポリメラーゼ:ヌクレオチドを基質とし,ヌクレオチドをつなぎ,DNA鎖を作る.

RNAポリメラーゼ:ヌクレオチドを基質とし,ヌクレオチドをつないでRNA鎖を作る.

制限酵素:DNAの数個の塩基配列を認識して,その部分でDNAを切断する.

DNAリガーゼ:DNA断片を結合する.

よって正解は①③⑥

 

(8)

「失活」と「変性」の違いを理解していない人がいます.

混同されがちなので,しっかり区別しておきましょう.

 

「失活」:タンパク質がその機能(生理活性)を失うこと

「変性」:タンパク質の立体構造が変化すること.pH,熱,化学物質などで起こる.

 

です.通常,「変性」が起こればタンパク質は「失活」します.

つまりタンパク質は立体構造が変化すれば,機能が変わったり,失われたりします.

 

【解答例】

pHや熱などの影響による,タンパク質の立体構造の変化などを原因として,タンパク質の機能が失われること.