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大学への生物

大学入試に向けた高校生物の解説をしています.徐々にコンテンツを増やしていきます.現在は2017年度大阪大学の解説を作成中.解説してほしい問題などのリクエストがありましたらコメント欄まで.

2017年度 大阪大学 前期 生物 2 【解説】

大阪大学(2017-前期) 解説

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【解説】難易度:★★☆☆☆

すべて知識問題です.あとは記述がいかにわかりやすく書けるかです.

 

(1)

(ア)チラコイド(イ)ストロマ(ウ)カルビン・ベンソン(エ)ミトコンドリア

 

(2)

光リン酸化についてまとめておきます.

葉緑体のチラコイド膜には光化学系Ⅰと光化学系Ⅱと呼ばれる反応系が存在している.

①光化学系Ⅱでクロロフィルが光エネルギーを受容

②光化学系Ⅱで水を分解し,酸素が産生されると同時に電子を得る.

③得られた電子は電子伝達系を通って光化学系Ⅰに受け渡され,

    電子の移動によって水素イオンがストロマ側からチラコイド内腔に能動輸送される.

④チラコイド内腔に蓄積した水素イオンがATP合成酵素を通ってストロマに戻る

⑤ATP合成酵素によりATPが合成される.

⑥電子伝達系を移動した電子はNADP⁺が受容してNADPHとなる.

 

上に書いてあることをまとめればOKです.

 

【解答例】

光化学系Ⅱで水が分解された時に生じた電子が,タンパク質複合体からなる電子伝達系を移動する際に,水素イオンがストロマ側からチラコイド内腔に能動輸送される.チラコイド内腔の水素イオン濃度が上昇すると,濃度勾配に従ってATP合成酵素内を水素イオンが通過し,同時にATPが合成される.

 

(3)

注意してほしいのは,酸化的リン酸化における電子受容体は,NAD⁺ではありません.酸化的リン酸化では,電子伝達系を移動してきた電子は,酸素によって受け取られ,

水になります.

 

酸化的リン酸化:酸素 光リン酸化:NADP⁺

 

(4)

ルーベンの実験について解答させる問題です.

意外に穴になっている人も多いのではないでしょうか.

ルーベンの実験についてまとめておきます.

 

酸素の同位体(16O・18O)を用いて,  光合成で発生するO₂が水に由来するか,

CO₂に由来するかを証明した実験.

(a)

水分子内の酸素:18O 二酸化炭素分子内の酸素:16O を用いた水と二酸化炭素

クロレラに光を当てながら作用させると,18Oを含んだ酸素が発生した.

(b)

水分子内の酸素:16O 二酸化炭素分子内の酸素:18O を用いた水と二酸化炭素

クロレラに光を当てながら作用させると,16Oを含んだ酸素が発生した.

(a)(b)より,光合成によって生じる酸素は水の分解に由来することが分かる.

 

以上のことをまとめればOKです.

 

【解答例】

16Oと18Oの2つの同位体を用いる.18Oを含む水と16Oを含む二酸化炭素を用いて光合成を行い,18Oを含む酸素が検出されることを確認し,16Oを含む水と18Oを含む二酸化炭素を用いて光合成をおこない,16を含む酸素が発生することを確認すればよい.

 

(5)

図1は競合阻害剤を作用させたときの基質濃度と反応速度の関係を表したものです.

教科書などにも出てきます.

 

基質と化学的な構造が類似した物質(競合阻害剤)が存在する場合,

この物質が酵素の活性部位に結合して,基質との結合を阻害し,

酵素活性が低下することを「競争的阻害」といいます.

 

基質濃度を上げると,酵素の活性部位に結合する競合阻害剤の量が相対的に

減少するため,反応速度は,競合阻害剤が無い場合の曲線に近づいていきます.

 

【解答例】

物質Bは酵素Eの活性部位に結合し,酵素Eの活性を阻害する.