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大学への生物

大学入試に向けた高校生物の解説をしています.徐々にコンテンツを増やしていきます.現在は2017年度大阪大学の解説を作成中.解説してほしい問題などのリクエストがありましたらコメント欄まで.

【記述001】 チャネルとポンプの違い(京都 17)

記述問題 解説

【問題】

ナトリウムの濃度差の発生と細胞内への流入には,チャネルとポンプが関与している.この2つのタンパク質の働きの違いについて述べよ.(京都 17)

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【解説】重要度:★★★

京大の問題ではありますが,全員ができてほしい問題です.

チャネルとポンプの違いについてまとめます.

 

●チャネル

 ・濃度勾配に従って(濃度の高い方から低い方へ)輸送する.

 ・エネルギーを必要としない

 ・受動輸送

 

●ポンプ

 ・濃度勾配に逆らって(濃度の低い方から高いほうへ)輸送する.

 ・ATPを分解したときに発生するエネルギーを利用する.

 ・能動輸送

 

注意点があります.

まず,ATPに関してはそれ自身がエネルギーになるわけではないので,

「ATPをエネルギーとして利用する」だと微妙な気がします.

ATPという分子の中の,リン酸が連結している部分(高エネルギーリン酸結合)

が分解されたときに初めてエネルギーを生じます.

 

次にすごく細かいことになってしまうのですが,

ナトリウムを能動輸送するポンプは学校でよく習う,

「ナトリウムを細胞外に,カリウムを細胞内に取り込む『ナトリウムポンプ』」

だけではありません.

高校では習いませんが,ナトリウムとカルシウムを交換するポンプなどさまざまなものがあります.

この問題では,ポンプ一般の話をしていますので,ポンプの説明のところに,

ナトリウムを細胞内に流入させて,「カリウムを細胞外に流出させる」

といった記述をしてしまうのは微妙なところです.

 

【解答例】

チャネルはナトリウムを濃度勾配に従って受動輸送し,ポンプはATPを分解したときに生じるエネルギーを用いて,ナトリウムを濃度勾配に逆らって能動輸送する.