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大学への生物

大学入試に向けた高校生物の解説をしています.徐々にコンテンツを増やしていきます.現在は2017年度大阪大学の解説を作成中.解説してほしい問題などのリクエストがありましたらコメント欄まで.

2017年度 大阪大学 前期 生物 4 【解説】

大阪大学(2017-前期) 解説

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【解説】難易度:★★★☆☆

(5)以降が勝負どころです.リード文が長く,情報を整理するのが大変です.

(8)はすべての実験をまとめて考察することになるので、なかなか大変です.

 

(1)

(ア)極体(イ)卵割腔(ウ)胞胚(エ)原腸胚(オ)プルテウス

 

(2) 等割

 

(3) 胞胚

ウニが孵化するタイミングは胞胚期であることは覚えておきましょう.

 

(4) 新口動物 動物:c・e・g

新口動物に含まれるのは,棘皮動物,原索動物,脊椎動物です.

棘皮動物:ウニ・ヒトデ・ナマコ

原索動物:ナメクジウオ・ホヤ

脊椎動物:魚類・両生類・爬虫類・鳥類・哺乳類

あたりは覚えておきましょう.

 

(5)

実験1の情報を整理していきましょう.

 

・タンパク質Aの分布→16細胞期のすべての割球の細胞膜に存在

           小割球では核にも存在

・タンパク質Aを過剰発現→16細胞期のすべての割球の細胞膜・核に存在

              ⇒内胚葉が過剰に形成

・タンパク質B:タンパク質Aの核への移行を阻害

・タンパク質Bを過剰発現:タンパク質Aは割球の細胞膜のみに存在.

               ⇒外胚葉のみに分化

 

(5)

リード文より,小割球ではタンパク質Aが核に存在しており,

タンパク質Aを過剰発現させると胚全体でタンパク質Aが核に存在するようになり,

外胚葉がほとんど形成されず,内胚葉が過剰に形成されるようになった.

タンパク質Aの核移行が阻害されると,タンパク質Aが核には存在しなくなり,

外胚葉のみが形成されるようになる.

 

これらの情報から,タンパク質Aは核へ移行して内胚葉を生じさせることが分かる.

 

【解答例】

タンパク質Aは核に移行して,内胚葉を生じさせる役割を持つ.

 

(6)

選択肢の中で,核内で制御されうる可能性が高いのは,転写制御です.

遺伝子の上流には転写を調節する領域があり,

そこに調節タンパク質が結合することで,転写が促進されたり,抑制されたりします.

よって解答はbです.

 

(7)

設問文にあるように,実験2の結果から,

小割球と小割球が隣接する割球(中割球)との相互作用が内胚葉の形成に必要である

ことが分かっている.

 

ただ問題文にもあるように,実験2だけだと,

①小割球と中割球の相互作用によって,中割球が内胚葉になる.

②小割球と中割球の相互作用によって,小割球が内胚葉になる.

の2つの可能性が考えられる.

 

【解答例】

小割球と小割球が隣接する割球との相互作用によって,小割球が内胚葉になる可能性が考えられるため.

 

(8)

実験4の結果から分かることをまとめておきましょう.

タンパク質Bを過剰発現させると,タンパク質Aの核移行が阻害される.

つまり,小割球の核内にはタンパク質Aが存在しないことになる.

その小割球を正常な16細胞期胚の動物極側に移植して培養したところ,

内胚葉が隣接する割球から誘導されなかったことになる.

 

つまり,実験1~実験3と合わせて考えると,

タンパク質Aが小割球の核内へ移行する.(実験1)

  ↓

タンパク質Aが特定の遺伝子の発現を促進(実験1・問6)

  ↓

遺伝子産物が隣接する割球に作用して内胚葉を誘導(実験2・3)

 

といった感じです.

これをまとめればOKです.

 

【解答例】

タンパク質Aは小割球の核内へ移行し,特定の遺伝子の発現を促進する.そしてその遺伝子産物が隣接する割球に作用することで内胚葉が誘導される.